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■コストとは?

(コストの発生の意味)

前項で、ドラカーの「全ての会社の活動はコストである」を引用しましたが、コストとは、「経済価値の消費」であり、人が働き、設備を動かし、材料を使うことが「コストの発生」に当ります。通常、この経済価値の消費は、「人の働き」であれば「労働時間」、「設備」であれば「稼働時間」、「材料」であれば「消費量」で表すのに対して、会計では、「労務費」「経費」「材料費」として、金額表示で表現し、集計することになります。

 

このように、全ての企業活動が、金額表示によって統一的に表現される反面、諸活動が会計数値に置き換わったとたんに、現場とはかけ離れ、実態が見えにくくなります。本来のコストとは、作業者の動き具合であり、機械の稼働状況であり、材料の消費のされ方が集積されたものです。したがって、会計数値が物量データと連動していなければ、正しい実態を表しているとは言えません。管理会計が経営管理に役立つためには、「業務と会計、つまり、コストの発生源と勘定科目との関係を双方向で結びつける」ことが重要になります。

(コストの発生の把握)

管理会計を行なう場合、現場のデータ「正確」「速く」入手することが大切です。しかし、現場データの収集に際しては、現場担当者・作業者の抵抗がカベになることが少なくありません。

作業時間を把握するためには、「作業日報」を書いてもらう必要がありますが、「手間が掛かる」「作業時間に影響が出る」などの理由から、現場から積極的な協力を得られにくいものです。そのため、就業時間データを使うという考えが代替的に出されますが、就業時間と作業時間は時間の購入と消費の関係であり、代用はできません。就業時間を管理するだけでは、仮に理由の無い残業をしても見つけることはできないからです。

誰しも、自分の業務内容を細かく報告することには後向きになりがちです。こうした現象は、工場だけでなく、販売や開発の現場でも発生しますが、管理会計が機能しない原因の理由の一つとも言われています。現場担当者に協力を得やすい方法を取り入れる必要がありますが、単なる会計レベルを超えた経営管理の視点が求められることになります。いずれにせよ、コスト発生を正確に速く把握し会計に結びつけることが、管理会計導入の成功に繋がる第一歩となります。

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