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(続き)

<部門責任者の視点>

主要三部門の責任者の視点を確認しましょう。

 

営業部長…営業部長の責任の範囲は、部門全体で売上高計画(予算)及び貢献利益計画(予算)を達成すること、そして売掛金を回収すること、です。営業担当者別の売上や貢献利益、回収期限を越えた売掛金の金額を常に把握しなくてはなりません。このための情報を管理会計はタイムリーに提供します。

 

製造部長(工場長)…製造部長は、生産管理や原価管理の責任者として、採算計算を行いながら、工場全体の効率的運営を考えることが任務です。一般的には、高品質な製品を、納期に従い、出来るだけ安く作ることに注力します。歩留まりが悪く(ロスが多く)、作業時間が長い、納期が守れないことは、原価高に直結します。そのような場合、原因を特定化し、問題点を改善し、採算性向上に努めます。

 

経理部長…原価が高い製品に対しては、「赤字に直結するため、生産を止めるべき」とか「製品在庫金額を売価まで評価減するべき」と考えがちです。これらの議論は、財務会計や税務会計を重視する傾向のある経理部門において容易に起きやすいものです。原価計算や採算計算において、工場経費の配分は実態に即しているか、当該製品の生産の経営的位置づけは何かなど、経理部長には、管理会計に基づく経営者の視点を取り入れた戦略的思考が重要になります。

 

会社が抱える問題の多くは、部門間の対立に起因しているといわれます。個々の部門責任者は、その部門の収益や効率性、つまり部門の最適化を重視しがちです。製品原価が高過ぎるからと、生産を外注し、仕入商品化することが、会社全体の最適化に有益かどうかは容易に判断を下せません。各部門が共有できるモノサシにより諸活動を可視化することを通じて、経営戦略の視点に立ち、部門最適と全体最適を上手にバランスすることが極めて重要になります。

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